変化または安定を望む人

公務員で安定した生活ができるとか、ベンチャーで波乱万丈な人生を歩むとか現代は多様な価値観があるものだ。20数年の人生の中で共に働いてきた人達を見て良く考えることは、「ルーチンワークや時間給で働く人たち」と「変化を望み様々なことにチャレンジしたり学んでいる人たち」の違いである。

その違いとは人間の奥深みである。前者も後者もどちらの方がが頭が良いとか正確がどうとかといった基本的な人柄にはあまり傾向がないように思えるが、その人が持つ魅力というか、その人に対する興味が全く異なってくるのである。例えば僕がアルバイトで働いていたサービス業の社員に対する印象だ。決して悪い人柄でもなく色々なことを知っている人だったのだが、その人がそれまでの人生をどう歩み、どのようにして考えてきたのかということに対し興味が持てなかった。そして、これからどのように生きてゆくのかということにも興味が持てなかった。また、そのような話が聞きづらいというものあったのだろう。その理由は、ルーチンワークという閉塞感から聞いてはいけないという暗黙のルールが自分の中にあると同時に、相手にもそのようなオーラが出ているからだったと思う。

逆に、様々な新しいことにアンテナを張り、未来について多くのことを考えている人には色々な興味がわく。僕が勤めていたベンチャーのスタッフは皆それぞれに会社のことや人生について考えており、これまでも、おそらくこれからも激しい変化の中で生きていく人たちだろう。彼らがどのようにして今まで歩んできたのか、これからをどのように考えているのか。そのような話をすることが楽しくてしょうがない。

色々な経験をするということは、同じことを繰り返すことに比べ失敗や挫折を経験することが多い。同時に、成功や成長する機会も多くなるだろう。そのような経験を多く得た人の人格は自ずと魅力的なものになるだろう。一般論や理論を永遠説明するよりも、その人の経験談を話される方が感動しやすいのと同様に、その人に対する興味も、経験の多さが重要なファクターになるのだ。