ベンチャーの魅力と大企業の魅力

allyan2006-01-08

僕は来年から大手の電機メーカーに勤めることに決まっているわけだが、今働いているベンチャーでの仕事が楽しくてたまらない。ベンチャーと大企業のどちらが良いとかいう意見は人によって様々であるし、同じ人でもライフステージによって異なってくる。僕のように社会人になり始めの人間にはどちらでも得られるものは大きいだろう。では双方どのような経験ができるかを、両会社の先輩と話したことをもとにまとめてみたい。

まず、ベンチャー企業で働く魅力とは、スピード感と自由度にあると思う。

僕のベンチャーハイテク技術を使った、コンシューマビジネスを行おうとしていて、競合の会社もいくつかある。しかし現段階では、競合とどのように差別化を図るかということよりも、アイディアをビジネスとしてどうやって実現してゆくかということの方が重要で、その理由は全く新しい市場を創ろうとしているからだと思う。

ベンチャーでは、全く新しいサービスを考えることも、市場調査などのリサーチすることも、実際に事業開発をし、資金を募ることも、そしてサービスを運営することもすべて自分が行わなくてはならない。これがベンチャーの大変さでもあり、面白さでもある。このような多くのステージを短期間に経験することは大企業ではなかなかできない。何でも屋になることが求められるのだ。

一連の流れに携わっている限り、なぜ今自分がこの仕事をしているかが明確に意識することができる。自分のやっていることに何の意味があるのかがわからないことには作業効率もモチベーションも上がるはずがない。

おそらく大企業ではこのジレンマに悩まされることになるだろう。巨大な歯車のひとつとして本当に自分は機能しているのか、機能した結果組織をよい方向に向かわせる要素であるか、常に悩みの種になると思う。

では逆に大企業ではどのようなメリットが考えられるだろう。

ベンチャーでは得られないが大企業では得られることに教育制度があるだろう。社会人0年目の僕は大手企業にいくときやそこの幹部と会議をするときでも作法が全くわからない。話し方も社会人として未熟である。大きな企業でなくてはこのような指導をする余裕がないため、このような経験は必要だと思う。

また、近年日本社会は価値の分化が進んで東大生が官僚を目指さなかったり、自ら起業したりなどが流行ってきてはいるが、大卒→聞いたこともない会社→?よりも大卒→一流企業→?と経由したほうが履歴として受けがいいこともまた事実である。

ベンチャーと大企業の比較でお金や職の安定性についてはあまり重要ではない。それは僕が若いため、その要素はあまり重要でないと考えるからだ。ベンチャーで失敗して無一文になっても今と大して変わってないし、大企業が安定的といっても安定を求めているわけでもない。

僕の周りの友達は若いくせに安定だとかお金だとかに執着しすぎだと思う。無論僕もベンチャーストックオプションをもらっている以上、上場して大金を得たい考えはあるが、彼らは月給が20万か30万かの違いに大きく左右されていたり、社会での知名度を重視しすぎていたりしている。

これから就職活動が本格化する3年生にアドバイスとして、どんな人間になりたいの?そのために必要な経験って何か考えた?その会社でその経験ができるかちゃんと調べた?といってあげたい。それはつまり一年前の自分に対する後悔なのかもしれないが。