auの本気が見える

携帯音楽サービスLISMO宇多田ヒカルの新曲を引っさげリスが踊りまわるCMが、連日連夜流れまくる様子にauの本気を感じた。

今日、宇多田ヒカルの新曲「Keep Tryin’」を着うたフルでダウンロードして視聴してみたところ、音質はまあまあだしWIN携帯でのダウンロード速度も不快では出はない速度ではあった。このサービスが今後もっと向上していったらiTunesiPodによってもたらされた第2世代携帯音楽プレイヤーの次世代を担うものになると思うが、成功するための条件がいくつかある。

まずは手に入れられる曲の多さである。邦楽最大規模の音楽ダウンロードサイトMoraと組むという手もあるか。iTunesYahoo!と組むことは絶対にないだろう。後者は今後競合キャリアになるわけだし。ここはKDDI資本力と、各レーベルのWebマーケティングの消化不良具合を考えるとクリアできそうな条件である。

次にハードウェアである。せっかく着メロではなく音楽を聞くわけだから、PCとの連携して現在所有する大量の音楽を携帯に移し、長時間にわたって起動していなければならない。そのためには音楽を聴きながらその他の操作ができる携帯のCPUの向上やデータ記憶容量の向上が必要不可欠だ。ソニー・エリクソンウォークマン携帯が今後どのように向上してゆくかが見極めの材料になると思うが、ソニーミュージックがらみのしがらみがそれを邪魔するのだけはやめてほしい。

これを考えるとハードルは非常に低いし、第2世代でいわれる成功要因となんら変わらない。もしかしたら、第2世代が定着する前にLISMOが普及することもあるかもしれない。それは日本の携帯事情に成功するいくつもの要因が存在するからである。

まず一つにデータ転送速度・容量が高いこと、次に若い世代ほど携帯サービスを多用していること、決算システムをキャリアが持っていて清算が非常に容易であること、が挙げられる。これらの条件が上手くそろっているため、LISMOをその上に乗っけるのは非常に容易いと思うのだ。

ケータイはポータブル音楽プレイヤーを駆逐し、デジカメをも駆逐するであろう。地図を駆逐し、時刻表をなくし、この世の便利なものをドンドン吸収してゆく。Web2.0でいうところのマッシュアップ要素はケータイビジネスのほうがもっと相性がいいのではないか。