整理収納家具としてのホワイトボード

ホワイトボードは数あるオフィス用品の中で最もアイディアを生み出すことを助ける道具だと思う。このシンプルなツールがもたらす効果とはいかなるものだろう。

今日オフィスで新規事業の企画を作るため、久しぶりにホワイトボードを用いてブレーンストーミングを行った。最終的にはPPTに内容を落とし込むわけだが、とりあえず60×90のホワイトボードにアイディアのキーワードを書き綴った。この企画に関しては1週間ほど考える期間が与えられ、ずっと頭の中で考えていていくつかの細かいアイディアが浮かぶのだが、それらが上手く体系化できない状態にあった。企画の全体像が見えていない状態だ。

しかし、頭の中で分散したこれらのアイディアの種を一旦ホワイトボードで箇条書きにしていくと、それぞれのアイディアがつながり合いとてもいい企画が思いついた。実はこの作業の前に一回PPTでまとめようとしたのだが、どうも進みが悪かった。ではなぜPPTでできなくてホワイトボードでできたのか。

PPTでも白いキャンパスに文字や図が自由に、綺麗に書くことが可能だ。しかし、綺麗に書けることに問題がある。アイディアをまとめたいときは、アイディアだけに意識を集中したいが、キーボードやマウスを使い、さらに綺麗にまとめようとすると余計な脳内処理を行ってしまうのだ。僕は普通の人に比べてかなり長い時間コンピュータに接しているが、それでも生まれてから今日まで鉛筆をもって紙に書いてきた時間のほうが長い。僕の脳の使い方は昔ながらの方法が一番最適化されているようだ。

さらに、紙ではなくあの大きさがいい。ホワイトボードはその大きさのわりに書き込める文字数が少ない。したがって、不必要な要素が自ずと削られる。また、書いた内容は形に残るものではないので思いついたまま何も気にせず書き込める。書いていてまとまりが悪くなっても、すぐに消すことができるので整理して書くことも簡単にできる。

偉大なアイディアというのは数ある多くのアイディアを一つの価値観や概念にまとめることによって生まれると思う。となれば、アイディアを生み出すということは頭の中を整理するということと同義になる。つまり、ホワイトボードは頭の中を整理してくれる道具なのだ。